韓国の看話禅


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韓国の看話禅

韓国の看話禅

曹渓宗という宗名は本来六祖慧能禅師のことをいう言葉である。
それほど韓国は祖師禅の正統を重んじて現在に至っている。
韓国に祖師禅が伝わったのは9世紀頃である。
曹渓宗の宗祖道義国師は、当時中国の西堂智蔵禅師から大悟の認可を受け、韓国仏教に祖師禅を伝えた。
新羅(BC57∼AD935)末、禅門を開いた九山禅門はいずれもこの慧能禅師の祖師禅を継承している。 高麗時代(918∼1392)には普照国師知訥禅師が登場して、修禅寺(現在の松広寺)で禅定と智慧を共に修する定慧双修を揚げて、禅の修行法を大いに高めるとともに、看話禅の修行体系を紹介し韓国の禅修行はさらに 発展した。その後、太古普愚禅師の代に至って、看話禅が韓国禅の主な修行法として確固たる地位を占めるようになる。
韓国の看話禅

朝鮮時代(1392∼1910)の仏教は崇儒抑仏の政策により酷烈な弾圧を受けたが、
淸虚休靜、浮休善修禅師たちによって禅脈が受け継がれ、看話禅の法灯が守られてきた。朝鮮時代の禅脈は近代に至っては、鏡虚惺牛、龍城震鍾禅師によって新たに禅風が興隆し、現在は祖師禅の家風である看話禅による修行が活発に行われている唯一の国として世界の注目を浴びている。
祖師禅とは、歴代の祖師たちが本来成仏の境地を悟り、自分で体験した悟りの世界を心から心へと伝える禅のことをいう。
祖師禅の本来成仏とは、本来自己が仏であったことを意味する言葉である。それを自覚する過程で、文字、言語、理性的思惟などは何の意味ももたない。私たちは皆、本来仏であるが、ただ煩悩妄想に覆われて自己の本来のありさまを見出すことができないだけであり、話頭により煩悩妄想を空にして遂に真の姿を取り戻すなら、仏となって、自由で幸福な人生を生きられるのである。
ここでいう話頭とは、仏としての本来の自己の相を発見するための方法である。
即ち、祖師禅といった修行の伝統の上に話頭を持ち出し、自分自身の真正なあり様を探す禅修行が看話禅である。話頭とは真言、真の言葉という意味である。真実の言葉であるため、勝れた根機をもった人であれば、この言葉を聞いた瞬間直ちに悟れる。そうでない人も、この話頭について大疑心に入り参究する過程を通して悟りの世界へ進む。話頭の構造は言葉や思考からでは推測しがたい。そのため思考や理性的な判断が少しでも割り込めば、それは妄想なのである。「看話禅」の「看話」とは、このように話頭にひたすら疑問を持ち、理解していく行為を言う。

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